漢方による免疫力アップ

「免疫」という言葉が現れたのは18世紀の頃で、「免疫類方」という本のなかで、「疫病」の危害を免除するというものでした。
しかし漢方の免疫に関する概念はもっと広い意味があります。
「免疫」はただ「疫病」を免除するだけのものではなく、広くすべての疾患から予防するものと考えています。
ではどのように予防するのでしょうか?
漢方の考えでは「扶正」と「去邪」という考えがあり、「扶正」は体の抗病力を整え免疫能を常に維持いく事です。「去邪」とは免疫のバランスを破壊する、すべての要因を排除する事です。医学的には「自然免疫」と「獲得免疫」みたいなものでしょうか? NK細胞のような細胞性免疫も関係してくるかもしれません。
免疫力アップの「扶正」ですが、漢方の処方に「玉屛風散」という処方があrます。塀風のように立てになってくれう玉のように貴重という意味の名前がついている漢方薬。粘膜における線毛運動の促進、粘液分泌、血清IgA値を増加させることにより、ウイルスや細菌の侵入を防ぎます。また、胃腸機能を高め、免疫力をアップさせるので、花粉症の体質改善にも用いられます。
板藍根という生薬は感染症を予防するのに使われます。お茶として飲むほか、エキスを使ってのうがいもおすすめです。
「補中益気湯」は感染リスクを下げる事は期待されインターフェロンの産生に関連すると報告されています。
「十全大補湯」NK細胞機能が改善され、また抑制系も活性化されることから、過剰な炎症の予防も期待されます。
また「去邪」としては、清熱解毒作用がある「銀翹解毒散」で、喉の痛みや発熱に用いられる処方です。また「清肺排毒湯」という処方は中国でもよく使われています。