コロナウイルス粒子が細胞内に侵入するためには細胞の表面に付着する必要があり、コロナウイルスの場合、そのためのスパイクという突起物を備えています。

スパイクによって細胞表面に付着したウイルス粒子は細胞のなかに取り込まれ、ここで感染が成立することになります。ヒトの細胞内に侵入したウイルス粒子はいったん分解され、遺伝子をコピーし、新しいウイルス粒子を細胞内で作ります。それが細胞を破って細胞外に放出され、それぞれがまた新しい細胞に侵入して同じように細胞内でウイルス粒子を増やしていくことになります。これが感染の広がりとなります。

これに対して人間は防御反応が働き、自然免疫細胞（樹状細胞・マクロファージ・好中球・NK細胞）がウイルスを排除しようと攻撃をはじめますが、それと同時にサイトカイン等の伝達物質を放出します、それを受けた、T細胞のキラーT細胞が攻撃に参加し、またヘルパーT細胞がB細胞へ支持を出し抗体がB細胞から放出されます。抗体はコロナウイルスのスパイクに結合され細胞への侵入を防ぎます。T細胞とB細胞により得られたものが獲得免疫です。

サイトカインのなかでもⅠ型インターフェロンがより早く活性するのですが、コロナウイルスはそのインターフェロン活動させない作用があるようです。その免疫作用が遅れるとウイルスは肺の奥の肺胞の方まで侵入してしまうのです。

日本感染症学会では金沢大学附属病院漢方医学科 小川 恵子先生が論文を発表され漢方薬はキラー細胞等の免疫力高めていくこと述べていま
す。

COVID-19 に対する中医学処方（漢方薬）の状況と 推奨
1．予防（無症状病原体保有者） これは、中医からの報告には記載されていませんが、 予
防は肝心です。手洗い、うがい、不要不急の外出を 避けることももちろん重要ですが、
漢方薬には免疫力 を上げる働きも報告されています。このような働きを 持つ漢方薬を補
剤と言って、免疫システムを活性化し ます。無症状病原体保有者の病原体陰性化の促進
も期 待できます。